長崎バイオパークに通いはじめて十年以上になりますが、毎回必ず足を運ぶエリアがあります。リスザルのゾーンです。
小さな体でちょこちょこ動き回って、こちらをじっと見てくる目がなんともいえない。名前は正直なところうろ覚えの動物も多いのですが、リスザルだけは顔を見るたびに「また来たよ」という気持ちになります。
ただ、初めて来る方にはっきり伝えておきたいことがあります。
あのコたちは、かなりの手癖の悪さです。
マスクを取られた、帽子を引っ張られた、ポケットのティッシュを持っていかれた、スマホのストラップに興味を持たれた――こういう話は常連のあいだでは定番中の定番です。笑い話として語られることが多いけれど、大事な物が絡むと笑えない状況にもなります。
お子さん連れで来る前に、少しだけ予習しておいてください。
なぜリスザルは物を取るの?

意地悪でやっているわけではありません。これはリスザルの生態そのものです。
リスザルは野生では、木の実や昆虫、果物などを探し回って生活しています。
常に「何か面白いものはないか」「食べられるものはないか」とアンテナを張っている、生まれながらの探検家です。
その探検家気質が、人間のポケットやバッグに向かってくるわけです。
リスザルにとって、人間のポケットは宝箱のようなものです。
しかも手先がとても器用です。
人間の子ども並みといっても大げさではなく、ファスナーもポケットの隙間もバッグの口も、驚くほど上手に探ります。
色や動きへの反応も敏感で、白いマスクや揺れるキーホルダー、光るスマホ画面などは特に興味を持たれやすいです。
知っておくと「なるほど、そういう動物なんだ」と納得できるので、ハプニングが起きても慌てにくくなります。
ニオイでエサを持っているとわかっているのに、くれないとイラッとするようで、
そんなときに噛むことがあります。
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入場前に子どもと確認してほしいこと

ポケットを空にする
これが最重要です。
ティッシュ、ハンカチ、お菓子――ポケットから少しでもはみ出していれば、すぐに発見されます。「見えていなければ大丈夫」と思いがちですが、匂いや形にも反応するので油断は禁物です。
荷物はリュックの中にしまいしっかり対策しましょう。
ポケットは空にして入ると気持ちが楽になります。
マスクと帽子に注意

みんなで誰に飛び乗ろうか計画をねっているのでしょうか?
耳掛け式マスクは特に狙われやすいです。
顔の近くでぶら下がっているのが気になるようで、「なんだこれ?」と引っ張ってくることがあります。
帽子もつばや飾りを引っ張られることがあるので、シンプルで飾りの少ないものが安心です。
何でも口に入れるので、取られないように対策して下さい。
特にスポンジ系はかじって飲み込んじゃうそうですからね。
子どもが気に入っている帽子や、大切にしているアクセサリーは、入場前にリュックにしまっておくことをおすすめします。
スマホはすぐしまう
光る画面やカラフルなストラップは興味の対象になります。
写真を撮り終えたら、そのままポケットに入れっぱなしにせず、バッグの中へ。
撮影に夢中になっているときが、いちばん油断しやすいタイミングです。
メガネも一応意識して
極端な例ではありますが、メガネに興味を示す個体もいます。
撮影中など、顔を動かす動作が多い場面では少し意識しておくと安心です。
驚くほど器用にメガネを外して持ち去ります。
食べられるものと勘違いしているのでしょうか?

器用に水分補給していました。かわいいですね。
やってはいけないこと
肩に乗られて大声を出す
突然肩に乗られると驚くのは当然ですが、乗ってくると覚悟して入室して下さい。
そこで大声を出すと、周囲のリスザルも一斉に反応して騒ぎが広がります。
深呼吸して、できるだけ落ち着いて対応しましょう。
お子さんが驚いて叫びそうな場合は、事前に「乗られても大丈夫だよ」と話しておくと心強いです。
追い払おうとする
リスザルを振り払ったり、驚かせるような動きをするのはリスザルのストレスになります。
肩に乗られたり、荷物を触られても、慌てず静かに対応してください。
エサを隠し持つ
リスザルは匂いに敏感です。
バッグや服にお菓子の匂いが残っていると、それだけで集まってきます。
エリアに入る前に、食べかけのお菓子はリュックの奥にしまっておきましょう。
こちらから追いかける
リスザルが自分から近づいてくるのは大歓迎ですが、逃げているリスザルを追いかけるのは避けてください。
ストレスになりますし、思わぬ方向に走って他の来園者に迷惑をかけることもあります。
取られて困る物を、最初から持ち込まない
十年以上通ってわかったことがあります。
「取られないようにする」と構えるより、「取られて困る物を最初から持ち込まない」と決めてしまった方が、ずっと気持ちが楽になります。
そうすると不思議なもので、肩に乗られる体験も、帽子の上で周囲を見渡されるハプニングも、全部が笑える思い出に変わります。
帰り道に「リスザルにティッシュ取られた」「頭の上で会議が始まった」と話す子どもの顔は、どの写真より生き生きしています。
そういう体験こそが、長崎バイオパークに来た本当の価値だとわたしは思っています。
準備をしっかりして、あとは自由奔放なリスザルたちに任せてみてください。



行きたいと思ったときがチャンスです
行きたいと思う気力が有るときに行きましょう
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